謹啓　近年春彼岸のご挨拶の冒頭でご紹介している境内の蛙たちですが、２月中旬の暖かい日に現れました。ところが寒の戻りで、どこかへ隠れてしまい、未だ見かけません。我々も肌で気候の大きな変化を感じておりますが、自然界も同様に影響があるようです。そうした中ではありますが、皆さまに於かれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
　さて、年頭には能登地方で大きな地震が発生してしまいました。地震予知に関していろいろな研究が進んでいるようですが、なかなか難しいことだということは皆さんも感じておられると思います。そうした状況で我々のでき得る対策としては、家具の固定や非常食・水の確保でしょう。特に都市部では人口が密集していますから、１週間分の用意が奨められています。他人事でなく自分事として準備することが、不幸にして被災されてしまった方々への心配りの１つに繋がるのではないでしょうか。
　自然の脅威も我々の心を揺さぶりますが、この頃世間を騒がせているのは、人の「うそ」「いつわり」も大きいと思います。お釈迦さまの戒めに「不妄語戒」というものがあります。「うそをついてはいけない」という戒めですが、「妄」という言葉を辞書で調べますと、
・つつしまないこと。みだりなこと。【広辞苑】
・乱れている。誤っている。いいかげんである。【大辞林】
・道理がわからない。筋道がなく、でたらめ。【大辞泉】
・節度がない。常軌を逸している。むやみ。【明鏡国語辞典】
どの意味も世間を騒がせている事象に当て嵌まるように感じます。以前も書きましたが、自省と他者への敬意を大切に日々を過ごしたいと思います。
　春彼岸供養は、３月２０日（水・祝）午前１１時と午後１時より、本堂にて行います。どうぞご参詣下さい。ただし感染症が終息した訳ではありませんので、ご参詣については個人の判断にお任せいたします。また以前、借用していた駐車場が使用できませんので、ご高配をお願いいたします。
　参詣された方へ配慮した上で、オンライン中継も行いますので、スマホやパソコンにてお参り頂くことも可能です。オンラインで参詣される方は、当日の午前９時にこのページにご案内します。
　皆さまのご健勝を心より祈念いたします。くれぐれもご自愛くださいますようお願いいたします。

合掌

　令和６年３月吉日

曹洞宗 高根寺　丹羽　浩道